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「でも、あそこは君の通学路じゃないだろ? 何であんな所に」
『正確には、好きになったのは三年よりもっと前。公立受験であなたを見てからよ。結局私は私立の女子校に行ったけど、どうしても忘れられなくて……その日ダメ元で告白しようと思っていたの』
その事故が起こったのは、生徒もまばらな下校時の夕方。
僕はたまたまその場に遭遇しなかった。
『まさか、こんな形で両想いになれるとは思わなかったけど……それでも私は幸せ。これであなたの一部として生きられるのなら、もっと……』
「やめろよ! 君はまだ生きてる……僕は君に会いたい」
『それはやめて。あんな姿、あなたに見られたくないの』
「前にも言ったろ、僕は君に触れたいって。それに、君がどんな姿をしてたって関係ない。僕にはどうせ見えないんだから」
その台詞に、アズがきょとんと言う顔をする。
『そ、そうか……そうよね。いつもはこの姿を普通に見られてるから、何かヘンな感じがして』
「どう? 会わせてくれるよね?」
すると彼女は少し躊躇いがちに、こくんと頭を縦に振った。
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