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「なんです?」と洋志が駆けよると、
この袋の粉を容器に移せと、いってきた。
洋志がいわれたとおり、粉を入れると、今度はタンクの水を入れろと、いってくる。
「年寄りがこんな重労働してんのに、のほほんとながめてるやなんて」
「ほんま、最近の若いもんはあかんわ」
客であるはずの洋志が、文句もいわずに手伝っているのに、さんざんないわれよう。
たこ焼きを焼きながらでも、お婆さんたちは文句ばかりいっている。
「もうちょい安くならんのかい、醤油」
「当店は、値下げをいたしませんので」
「ケッ、年寄りをいじめて楽しんどる」
「ほんまや。ぼったくり屋め!」
俵太さんの心臓にはきっと毛が生えているのだろう。自分ならこんなアウェイでは、ひとたまりもない。洋志は口の悪い双子に、完全にビビっていた。手伝いが終わってからは、離れた場所で焼きあがるのを待っていた。
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