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たこ焼きを買って、屋台の椅子を借りて食べようとしたが、とっとと、消えろ!と、お婆さんたちに厄介払いされたので、仕方なく洋志の車で食べることになった。
「こわいお婆さんたちでしたね」
「心のやさしい、いい人たちですよ」
俵太は、ぬけぬけといってくる。
「さぁさぁ、熱いうちにいただきましょう」
俵太が、たこ焼きをみせてきた。
洋志はお婆さんたちから離れていたので気づかなかったが、このたこ焼きにはソースがぬられていない。
たこ焼き自体には味がないのだし、屋台のたこ焼きといえば、ソース、鰹節、青のりを乗せてあるのが定番だ。だしにつける明石焼ってのもあるにはあるが。
「このたこ焼きには味がついているのです」
俵太が爪楊枝を渡しながらいってくる。
「へぇ、そうなんだ」
洋志は、たこ焼きに爪楊枝を刺して、口にぱくっと放りこんだ。
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