四杯目・ふたつの醤油

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「熱っ! はふぅはふぅ……えっ?! 旨っ!」 外はカリカリで、中はトロリとしていて、口を少し火傷したが、めちゃくちゃ旨い。 「なかなかでございましょ?」 俵太がにこりといってくる。 蛸か? タネに使っている出汁(だし)か? なんで、こんなに旨いんだ? たこ焼きをかじって、中をのぞくと、蛸しか入っていない。いや、揚げ玉も入っていた。普通は他にコンニャクとか、紅生姜とか、ネギを入れるのに、それらは見あたらない。蛸と揚げ玉しか入っていないのだ。それでも、べらぼうに旨い。 「あの二人は、明石のご出身だそうで、活きのいい蛸を卸してくれるお知り合いがいるらしいのです。それを洗濯機でまわして、さらに柔らかくしているそうで、あっ、ご心配なく。その洗濯機は蛸専用らしいですので。この目で確かめたわけではないですけどね」 俵太がクックックッと笑った。
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