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きみの姿を手鏡の中に見つけた。うしろの座席で、開いて立てた教科書の裏でコソコソしている。坊主頭を教科書から少し覗かせながら。まあ、勉学に励んではなさそうだけど。
いったいなにをしてるんだろう? よく見ようと、わたしはさらに体を机に密着させる。同時に、イスが動き、きみの机にゴンッと当たった。
きみはびくりと跳ね、あ、と驚く声を漏らした。その拍子に教科書が倒れ、二段式の弁当箱が露わになる。わたしの視線ときみの視線がぶつかった。わ、バレた。内心焦るわたしをよそに、きみは鏡の中でバツが悪そうに頭をかきながらニッと笑う。歯に海苔がくっついている。
わたしはその笑顔に胸がチクリと痛み、頬が熱くなるのを感じていた。
選択は誤っていなかったのかもしれない。
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