1、不思議なちくわ

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 具体的には、カラオケとゲームセンターに入りびたり、家にいるかと思えばゲームばかりしていた。夜更かしをして、昼まで寝て、生活リズムが狂っていた僕は夕方の4時くらいに猛烈に空腹を覚えた。  パートから帰宅したばかりの母さんに「何かない?」と尋ねたところ、母さんはぶち切れた様子で「これでも食ってろ!」と、ちくわを投げつけた。  最近の僕の生活態度にイライラしていた母さんは、受験が終わったばかりということで多めにみていたが、僕の午後4時の「何かない?」で、怒りを抑えられなくなったらしい。 「毎日毎日あそんでばっかりで、そんなことで高校生活やっていけると思って……っ」  怒りのマグマはすぐには収まらない。僕は投げつけられたちくわを食べながらやり過ごすことにした。開封済みのちくわは4本あった。  生のままでちくわを食べることに若干の抵抗はあったが、致し方ない。これ以上何か言ったら二次噴火を引きおこしてしまう。はむはむしながら、頭を低くして、一時噴火が収まることを待った。 「聞いているのっ?」  時々頷きながらやり過ごす。長い説教に暇を持て余した僕は、ふとなんとなく、そうほんとになんとなーく…ちくわの穴を覗いた。  そこには。     
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