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第1項 -最初の監禁施設
コツコツ…。
そんな硬い足音で目を覚ます。
壁に体を任せていた状態で寝ていた様だった。
壁や床は冷たく、視界は真っ暗でなにも見えない。
おまけに手に鎖が繋がっているときた。行動がちっとも出来ない。
足音はだんだん近づいてきて目の前で止まった。
顔をあげると斧を持ち甲冑を着た大男が立っていた。
男は手に持つ斧を振りかざし、攻撃してきた。
「や、やめろ!」
言葉を放つも声は届かず男の手は止まらない。
避けようとしたが、手に鎖が邪魔をして攻撃をくらってしまった。
攻撃は脇腹を裂き、血を流した。
大量の出血は自らの意識を保つことが出来なくさせ、目の前は真っ白になっていった。
ふと起き上がると脇腹の痛みはなく再び暗闇が視界を覆った。血も完全に止まっていた。傷は反撃出来なかった悔しさを思い返させた。
「それにしてもここは、どこなんだ…」
弱々しく放った一言は、虚しく小さく響いた。
顔をあげ、見えない周辺を目を凝らして見る。
しばらくして目が慣れてきて、少しは見えるようになった。
すると通路と、通路の目前にいるあの大男を目視することが出来た。
どうやら巡回しているようで、定期的に辺りをぐるぐると回っていた。
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