夢の終まで会いに来て

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「随分とわがままになりましたね」 「私は元々こんなだから」 「それもそうですね」 彼女の色々な表情を見れて、久し振りに日本に帰って来たと実感出来た。 戦場では見られない表情が多い為、本当にこの人と居ると心も助かる。 面会終了の時間が放送されて、名残惜しいと思いながらも帰らないといけない。 戦場と流れる時間の速度の差を感じて、余計に名残惜しさが増す。 病院から出て二分程車で走ると、病院から電話が掛かって来る。 嫌な予感と共にコンビニの駐車場でUターンをして、速度を上げて病院に向かう。 スピーカーにして助手席にスマホを投げて、覚悟しながら言葉を待つ。 「は、早く戻って来て下さい! 薫子さんの容態が急変して、取り敢えず早く来て下さい!」 「分かりました、向かいます」 緊迫した様子から良くない事が分かる。 恐らく長くて明日、短くて今日には会えなくなるだろう。 病院に到着して受付に駆け込むと、受付の女性が手招きをして先に廊下を駆けていく。 エレベーターに乗った受付の女性を無視して、階段を駆け上がって病室まで急ぐ。 焦りで足首を捻るが、そんな痛みよりも胸の痛みが勝ってスピードを落とさない。 滲む涙を唇を噛んで抑えて、受付の女性よりも先に病室に入る。     
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