夢の終まで会いに来て

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二千百三十七年、生年月日二千百十七年と書いてある免許証を財布に仕舞って、何故か分からないが僕は東京の街を歩いていた。 初めて来る街に戸惑いながらも地図を使って頑張っていたが、人に聞かないと辿り着けない気がしてきた。 「あの、ここに行くにはどうしたら良いのでしょうか」 通りすがりの綺麗な白い髪の女性に道を尋ねると、その人は僕が指さす場所を見て頷く。 「ここ少し難しいからなー。一緒に行ってあげる、私は薫子って名前なんだけど、貴方は?」 「僕は海桜(みお)です。海に桜と書いて」 「綺麗な名前なんだね」 「先輩のも美しい名前です。あれ……すみません先輩だなんて、僕どうしてしまったのでしょうか」 ふふふっ、と可愛らしいく笑う彼女の仕草に、何故か懐かしさを感じていた。 「みーちゃんは何でここに行こうとしたの?」 「すみません、よく分からないんです」 「ふーん。私も時々あるなー」 暫く無言が続いて、ふと気になったことを聞いてみる。 「どこかでお会いしたことありますか?」 「どこかで会ったことある?」
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