Episode.1 ジェミニの妖精

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1、2時間ほど歩き神秘の森に着いた。 周りは黄緑色の葉っぱを纏った木だらけで 凄く綺麗な所だった。 "神秘"と名付けられてるのもわかる。 「スゥ…ハァ…この森の空気は良いねぇ」 クンクンしながら言い放つシスカ 野生児かよコイツ… 心の中でつっこむ俺 「よし、まず行く前に1つだけ忠告」 「なんだよ」 「アンタ弱そうだから言っとくけど 私の後ろから絶対に離れないでね。」 「りょーかい」 確かに俺は弱いからあんまり言い返せない。 大人しくシスカの後ろについていくか。 あまり俺の能力も他人には 見せたくないしなぁ。 俺は大人しくシスカの後ろについていき 神秘の森に入ったのだった。 入ると少し暗くなり上を見上げると 大きな木で光が少し覆われていた。 虫たちの鳴き声も聞こえ本当に 綺麗な所だった。 少し歩くと木で道が塞がっていて これ以上奥に行けない状態なのが分かる。 「なるほど…これを破らないと 奥に行けないのねー」 シスカは乾いた唇をぺろっと舐め 手のひらは木に当てたのだった。 今から起きる現象は信じられない物だと知る。 シスカが手で当てた木が真っ二つに割れ 更に奥の木も真っ二つになり 道を作ってくれたのだった。 「えっ?」 何が起こっているんだろうか。 あの時僕が炎を使えるようになった時と 同じような感覚が頭に走る。 まさかシスカも僕と同じ能力使いなのか? 普通の人間じゃこんなこと出来ないしさ。 「ごめんねビックリさせて、進もう」 シスカは後ろを向かず俺に背中を預けたまま ひたすら前に進む。 もしここにいるのが俺じゃなくて あの仮面男だったらシスカは 殺されているのか? だとしてもシスカ…いくら 弱そうにみえる俺だからって 油断しすぎだと思うぞ。 色々考えていたら森の奥深くにつき オッカの実らしき木の実が たくさんあったのだった。 「これオッカの実だよね?? いっぱいあるよこれ!!全部持って帰ろう!!」 金になるぞぉっと無邪気な笑顔を見せながら オッカの実を次々ととっていくシスカ。 僕は彼女に何も言わず一緒にオッカの実を 取り始めた。 .
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