Episode.1 ジェミニの妖精

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「ウチの名前はシスカ!アンタの名前は?」 「ジ…ジーク」 「ジークな!よろしく!」 フリートとはあえて名乗らなかった。 フリートと名乗るともしかしたら ペンダント持ってるんじゃないかと思われるからだ。 シスカも名前しか名乗ってないし別にいいだろう。 そしてシスカと言う女は俺に手を差し伸べた。 これはいわゆる握手ってやつだろう。 姉上以外の女に触ったことがない 俺からしたら凄くハードルが高い…。 けどここで握手しなかったら シスカは変に思うだろうし… 俺は頑張って握手をした。 「よろしく…シスカ」 「アンタさぁ、弱そうだよね。」 ケタケタ笑いながらシスカは言い放つ。 「男だったらもっとシャキッとせんかい」 っとバチンと背中を叩かれ 猫背が一瞬だけ治る。 この女本当に馴れ馴れしいな… 「んじゃ明日9時にここで待ち合わせな!」 っと言いながら彼女は姿を消したのだった。 珍しいタイプの女に会い俺は戸惑う。 マイペースで自由人って感じだ。 異性に叩かれたり触れたりすると やっぱり亡くなった姉上を思い出してしまう。 あの時の記憶は死んでも忘れられない。 俺の目の前で姉上が殺された… 思い出す度に怒りが込み上げてくる。 あの男…絶対にコロシテヤル。 あの男を思い出すと手から自然に 炎が出そうで怖かったから あまり思い出さないようにしていたのだ。 まぁこういう仕事をしていたら 色んな町に行くことがあるし 色々情報を集めていつか見つけ出してやる。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 次の日、朝9時になり俺はシスカと 約束した場所に向かった。 「遅いよジーク」 「ごめんごめん」 シスカもう来ていたのかはやいな… 行くよー!っと彼女は言い 神秘の森に向かう。 向かっている最中にシスカと 少しお話をした。 「ジークってどこで生まれたの?」 「それはあまり詳しくは言えないかな」 「訳アリみたいな?」 「まぁ…そんな感じかな」 「ま、しゃーないよね、初対面の人に 自分の情報をバラすのは無謀よね! ウチも生まれた場所聞かれても言わないし」 「じゃあ聞くなよ…」 「ジークなら言いそうだったからついネ」 本当に俺のこと何も知らないから そんな風に言えるんだろうな。 俺を何だと思ってるんだよこの女は。 この時少しシスカの事を苦手だなと思ってしまったのだ。 .
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