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発症(1)
とうとう怖れていた本当の病魔が…
その日その姿を現したー
…そしてこの病魔に因って、
わたしのこれまでの生活は一変し…
目の前にあった日常は、
全く別の世界へと変貌してしまった…
「山野さん、これは見えますか?」
M眼科ー視力検査室
「……………」
(…えっ…嘘でしょ…)
視力検査表の1番上の大きな記号
ランドルト環は、黒い影で覆われていた…。
(…右眼が…真っ暗で何も見えない…)
「山野さんどうですか?」
「………わかりません……」
か細い声でわたしはやっと答えた…。
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