発症(1)

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(……どうすればいいのか…? ………答えが出ない…… ……どうしたら母親として正解なのか……?) …しかし、現状の右眼が見えない状態での子育てには無理が生じていたのは確かだったー 日常生活においてもそうだが、 子育てにおいても視覚に頼ることは 非常に多い。 だから視力が低下して、文字も見えない…さらに視野に黒い影も掛かっている、視野欠損の状態… この眼で子どもの顔を見ると、 顔色がわからないのだ… 特に赤みがわからなくなっていた… 子どもが具合を悪くして、 顔色を窺っても、 熱を出して顔が赤くなっているかも わからない…察知してあげられないなんて… (…母親として、このままで良いわけない…) 子どもの体調も看てあげられないということは…母親失格だー 情けなくて堪えていた涙が零れる… 母親としての役目を、 失ったという絶望… この現実がわたしに重くのしかかったー。 その時のわたしにとって、 このことは非常に 痛恨の極みであった…。
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