発症(1)

8/8
前へ
/51ページ
次へ
夫に胸の内を明かす。 「T病院に決めて、大丈夫かな… 子ども達のこと、どうしよう…」 「子ども達のことは、じぃばぁがいるからなんとかなる。俺もいるし なんとかするよ…」 冷静さを失っていない答えだったが さすがに焦りを隠せないようで、 緊張感からか声が強張って聞こえた… (…本当になんとかなるのかな… この先いったいどうなってしまうのだろう…怖いよ……) ーあの日、あの時から…… わたしの人生… そして家族の一生は… 一変してしまった……… わたしと夫は最終的に、 自宅から一時間半以上は掛かる T病院を選択した。 C医師は手早く紹介状を書いて渡してくれた。 (…T病院でどう診断されるのか、 不安は残っていた…) つぶらな瞳でこちらを見ている 無垢なチエを抱き寄せて泣いた… (…ごめんね…こんな不甲斐ないママで…) 39年生きてきてー 最も悲しくて・・・ 最もやり切れない・・・ 嘆きの涙だった・・・。
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

190人が本棚に入れています
本棚に追加