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「ーまずは入院になります。
点滴治療をすぐに始めましょう。
パルス療法という、ステロイド剤の投与をします。精密検査もまた
入院中にしましょう。入院は
一週間程度になります。」
D医師は実に手際の良い対応でパソコンへの入力や看護師への指示を行っていった。
(…入院は決定になっちゃったな…
でもまた見えるようにするために必要な入院なのだから…)
即入院と聞いて、さすがに落ち込んだ…子ども達の事も考える複雑な気持ちだった…でも先生の対応の仕方を見ていて、全てを任せられるとそう感じていたのも確かだった。すると徐々に気持ちも落ち着いていった。
診察が終わり、入院手続きを済せませて、明後日の入院準備のため自宅に戻った。
早朝に家を出てから、8時間以上が過ぎていたー。
疲れ果てて、帰りの足取りは重かった…。
ー駅のホームには夕陽が射し込んでいた…これまでのわたしなら、
夕焼けの美しい色合いを楽しんで
眺めていただろう…
しかし今はそんなゆとりは無かった…
視界が狭くなっていて、距離感がつかめない…
すれ違う人と何度もぶつかってしまう…
ぶつかられた人は訝しげにこちらを見る、わたしは肩身が狭い思いで、
よろよろと歩いたー。
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