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屋上の自殺少女
空にめがけて私はとんだ。
あの青い空をめがけて。
足をそろえ手を十字に伸ばし、風を切った。
17歳の夏。
この世界と別れを告げたかったから。
上を見よう。絶対に落ちることなんか考えないことにしよう。
空にだけ、舞い上がることだけを信じて。
夢はあった、今でもその夢は持ち続けている。
でも……現実は違う。
その現実を受け入れることを私は拒んだ。
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