【雪の華】

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「うん、竹内先輩が、発酵器を買ったから、作ろうって。いっぱい作ったからね、たっちゃんとも食べようと思って」 「夕飯に肉まんか、いいよ」 「あんまんも作ったよ、ピザまんとかキムチまんとかハムまんとか」 あ、アグレッシブなのも作ったんだね、味見はしたのかな? 「今、春雨のスープ作ってるの、もう食べる?」 「うーん、中華まんもいいんだけど」 僕は小首を傾げて提案した。 「今、少しだけど雪が舞ってたんだ。よかったら散歩でもしない? 萌絵は雪なんか見慣れてるだろうけどさ」 言うと萌絵を顔がぱっと明るくなった。 「ううん、行く! 火を止めてくるね!」 「あ、春雨、のびちゃう?」 「まだ入れてないから大丈夫!」 萌絵は慌ててキッチンに戻り、コートを手にして部屋の電気を消して玄関へやって来た。 「萌絵は雪なんか嬉しくないでしょ?」 あんまり嬉しそうなので言ってしまった。 「うん、雪は大変だから好きじゃないかな。でもたっちゃんが誘ってくれたなら嬉しい」 「僕も嬉しいよ」 手を繋いでマンションを出た、有り難いことにまだちらちらと雪は舞っていた。 萌絵は嬉しそうにそれを見上げていた、僕と見る雪はまた別の物なのだろうか。 この笑顔を。 この先もずっと僕の隣で見られたらどんなに幸せだろうか。     
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