戦場に咲きし華

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 その光景を高台より眺める武者がひとり。 「やはり劣勢だな、如何に落ち延びるか思案している者ばかりであろう」  男の名は鏑木勘兵衛、彼は言う。 「下克上の世、御家再興を願い今の殿に仕えたがそれもここまでか。そろそろわしも死に場所を探す頃合いではないか……」  そんな戦況を見守る勘兵衛に、戦場の一角の異様な雰囲気に目がとまった。
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