夫婦の在り方はそれぞれ

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拓也くんも僕と同じ気持ちなんだ。 それでも拓也くんの方がしっかり前を向いていて、僕は後ろを気にしてばかりで…。 「家事をやるのは、篤志さんに任せると危なっかしいので、効率と安全面でオレがやってるだけです。大変と思わないのですが、たまに買い物が面倒なんで、その時に会社帰りにでも買ってもらえると助かります。買い物代は渡しますから」 「いいよ!それくらいは出すよ!」 僕が慌てて反論すると、拓也くんがクスクス笑い始めた。 「やっぱり篤志さんと結婚してよかった。毎日楽しくて幸せだし」 「ぼ、僕もそう思ってるよ!」 「ね、誰も認めてくれなくても、オレ達は夫婦でしょう?お互いの左手の薬指の指輪はただのアクセサリーじゃありませんよ♪」 拓也くんの言葉と笑顔でモヤモヤが全て消えていく。 そうだ、僕達は普通の夫婦よりも大変な道を選んだけど、それくらいは二人だから乗り越えられると、お互い確かめあって指輪を交換したんじゃないか。 僕も前を向こう。 拓也くんの最良の伴侶になる為に…!
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