23人が本棚に入れています
本棚に追加
拓也くんも僕と同じ気持ちなんだ。
それでも拓也くんの方がしっかり前を向いていて、僕は後ろを気にしてばかりで…。
「家事をやるのは、篤志さんに任せると危なっかしいので、効率と安全面でオレがやってるだけです。大変と思わないのですが、たまに買い物が面倒なんで、その時に会社帰りにでも買ってもらえると助かります。買い物代は渡しますから」
「いいよ!それくらいは出すよ!」
僕が慌てて反論すると、拓也くんがクスクス笑い始めた。
「やっぱり篤志さんと結婚してよかった。毎日楽しくて幸せだし」
「ぼ、僕もそう思ってるよ!」
「ね、誰も認めてくれなくても、オレ達は夫婦でしょう?お互いの左手の薬指の指輪はただのアクセサリーじゃありませんよ♪」
拓也くんの言葉と笑顔でモヤモヤが全て消えていく。
そうだ、僕達は普通の夫婦よりも大変な道を選んだけど、それくらいは二人だから乗り越えられると、お互い確かめあって指輪を交換したんじゃないか。
僕も前を向こう。
拓也くんの最良の伴侶になる為に…!
最初のコメントを投稿しよう!