焼いちまった

9/10
前へ
/26ページ
次へ
「うおおおお、倒せたけどキモい。臭い!! マジ中華鍋使えねえ!!」 「おっさん、うるさい!!」  この臭いは表現しようがない。  公衆トイレなんて生易しいぞ。腐った魚? 放置した肉? 生ゴミなんてものじゃない。  毒だ。これ、絶対に毒だって!! 「サエさん、助け――」  サエさん。あんた今、良いもの見つけたって顔したよな? ものすごくニヤついてる。  悪女だ。悪い予感しかしねえ!! 「やられたくなかったら、しっかりその鍋でキャッチしなよ!」 「何をするつもりだよ!!」  サエさんは自分の身体のように鞭を扱い、綺麗にスライムを投げてくる。  べちゃべちゃと、中華鍋に吸い込まれていくそれ。  溶けていく……臭い……苦しい。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加