10人が本棚に入れています
本棚に追加
「限界、なんですけど」
俺は思った。
中華鍋を振るなら、やっぱり炒飯。青椒肉絲でもいい。酢豚でもいい。
とにかく、食えるもんを炒めたい。心から願った。
「さあさあ、火力アップして。全部やっちまいな!!」
「おい! サエさん!! あんたどんどん離れていって――」
「くっさ……」
「俺は臭くない! 傷つくから言うなよ!! 臭いのはアイツらだ!!」
中華鍋は赤くなるほどに熱を持つ。
スライムは一瞬にして蒸発していく。その代わり、辺りは悪臭が立ちこめる結果となった。
「くせぇぇぇぇ!!」
遠慮なく投げ込まれるスライムを俺は焼いていく。
緑色の臭気に、俺は閉じ込められた……。
最初のコメントを投稿しよう!