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焼いちまった
*
気づいたら俺の財布は空だ。
飯も買えない。
そしてなぜ、中華鍋とお玉を持っているんだ。
スーツ姿のおっさんが、中華鍋を抱えて平原に立つ。ツッコミどころ満載じゃないか。
「今回はあたしがサポートするし、死ぬことないから安心しな。んで、平原だから大した奴は出てこない」
おい、女。少し待ってくれるか。今、頭の中を整理するから。
まず、俺は仕事を辞めた。
皮肉にも中華料理店だ。毎日、鍋を振っていたが、ちょっとしたトラブルで今日は謝罪に行ってきた。
そのため慣れないスーツ姿だったわけだ。
しかし謝罪は上手く行かず、料理長はお前のせいだと俺を責めた。
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