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黄金色の髪が肩より少し下なのを軽く紐で結わき、藍色混じりの金の瞳が揺らいだ。
執務室は、時間が止まったままのクリスの体躯に合わせて造られている。
丈夫な樫の樹を使った机には、金の装飾が隅に施されている。
レミジオの執務机も近くにあるが、身長が180cmあり机の高さも椅子の大きさも違う。
皇帝である父・アントニウスは、クリスが呪いを掛けられた当初は怒りに満ちて、クリスを責めた。
時間が経つにつれ、その姿に皇宮の者たちも、貴族たちも慣れてしまった。
そして、クリス自身も今の姿に慣れてしまっていた。
「イチローが来るのはいつなんだ?」
「来月到着の船の予定との事です」
「見合いは全て断る」
「そう仰るかと思いました」
レミジオは、皇帝宛の紙を準備し渡した。
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