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女学校を卒業した後は、父の仕事を手伝っていた。
下手に教養の高い女性は、社交界では敬遠されていた。
オーセンフェリアに教鞭の話が出て、父が「奏も一緒に行かないか?」と誘ってくれた。
異国の地に赴くことはなかなか難しい。
今回も、皇帝アントニウスの勅命があってのことだった。
――クリスとの“約束”が果たせる――
母を亡くした土地に行くのは、心に引っかかるものがあった。
しかし、いつまでも逃げていてはいけないと、自身を奮い立たせてくれた、姉・兄代わりの東條家の優子と武が背中を押してくれた。
ペンダントに触れると、不思議と温かい気持ちになった。
先ほどまで考えていた、母へのことも許されたかのように……。
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