第8話

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寝室へと戻っていたクリスは、夜着(やぎ)に着替えてベッドで横たわっていた。 カナとのキスは、想っていた以上に心地よく、味わい深い唇だった。 再びキスをした時のことを思うと、下腹部に(たか)ぶりを感じた。 自制心がいくらか働き、自らで(なぐ)めるようなことにはならなかったが……いつ、カナにキス以上のことを求めてもおかしくない状態になっていた。 13年も想い続け、再会した彼女は素晴らしく魅力的だった。 白い肌に、紅い唇。 漆黒の髪に、黒い瞳。 それに、アントニウス達と話していた時の芸術への造詣の深さ。 内面の美しさが滲み出てくるように、魅力的な一夜(いちや)だった。 ――彼女ともっと…… ―― 夢の中で彼女を激しく求める自分は、少年の姿だったか本来の姿だったか分からない。
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