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クリスと教会での庭で出逢って、しばらくしてからも逢うようになった。
奏は小学校に通い始め、教会の墓地にも定期的に訪れていた。
その際に、クリスと逢って2人で庭を一緒に歩いたりした。クリスはカナに花をプレゼントした。
ニホンに帰る日が近づいてきて、奏は沈んだ表情でいた。
「来月、ニホンに帰るんだよな?」
「うん……クリスとは……あえなくなる」
「これ、やるよ」
そう言って、カナの後ろに回る。
首にひんやりとしたモノが当たった。
首元を見ると、ステンドグラスの欠片がペンダントトップになっていた。
「……これ……」
「また会う約束」
「……やく、そく? ……」
「オレも、このガラスと番い(つがい)の欠片を持ってる。ほら」
クリスの首元にも、同じエメラルドグリーンのステンドグラスの欠片があった。
近づいたクリスが、欠片を合わせると、ハートの様な形になった。
顔がさらに近づく。
「約束」
そう言って、カナの唇にキスをした。
初めてのキスは、甘くて、ほんのり温かく、ドキドキした。
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