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皇宮にて過ごす最後の日に、奏の部屋にクリスが訪れた。
中庭へと散歩に出た2人の後ろに、エミリアとレミジオがついて歩く。
2人の会話はあまり聴こえない。
ほとんど話していないのもある。
奏よりも頭ひとつ下のクリスが、奏を見上げる瞳は熱を帯びていた。
彼の熱っぽい視線に頬を紅く染める奏。
2人を微笑ましく思えたが、28歳である筈の青年は少年の姿で。
後ろから観ていて、年上の女性に熱を上げる少年といった風にも見えた。
「カナ……館に移った後も……逢いに行っていいか?」
小さく奏が頷く。
その返事を聴いたクリスは、軽く奏の頬にキスをした。
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