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すごく抵抗したのに。
「やっぱりカツにはソースだよね!」
『え・・・・・・あ、あの』
「お前はバカなのか。兄妹なんだから、紅もケチャップつけるに決まってるだろ」
「え、そ、そうなの!?」
『・・・小さい頃から、うちではケチャップなので』
「そっか、残念」
俺は、二人とは味覚が合わないみたいだ。
少し落ち込んでいると、桑野くんに携帯電話を取られてしまった。
「俺だ。・・・・・・ああ、喧嘩にはなったけど、なんとか無事だ。
で、こいつ一人暮らしだし怪我が酷いから、今日こいつんち泊まる。
・・・・・・おそらく1週間くらい帰れねぇわ。親父たちにも言っといてくれ」
桑野くんが紅ちゃんに事情を説明している間に、
俺は必死にケチャップを避けてカツを食べていた。
「・・・ん、わかってる。学校行くから、なんかあったら学校で聞く・・・じゃ」
・・・え、
学校?
「なんだ?」
「桑野くん、学校来てくれるの?」
桑野くんは呆れ顔で言う。
「行きたくねぇけど、今日みたいなことがあったら困るからな」
・・・よかった。
学校に行かなくなった理由はわからないけど、
桑野くんが学校に来てくれるなら、どうだっていい。
「ありがとう、桑野くん!」
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