229人が本棚に入れています
本棚に追加
遼の手を汚して得る快感に、瞼の奥がちかちかと明滅した。
夢でなければ、憤死していただろう。男のモノで絶頂させられたなんて、認めたくもない。
「寂しいなぁ。こんなに尽くしているのに、僕とのセックスは、ほづみさんにしては自慰程度だったなんて」
泣くまねをしつつ、遼はほづみの内ももを鷲づかみ、さらに大きくこじ開けた。
「慰めてもらわないと、仕事に戻れそうにありません」
「や、やめ……」
嫌々と首を振るが、夢での支配権は遼にある。どういうわけか、ほづみは逃げることも夢から目覚めることも、自分の意識では出来ない。
「それでは、いただきます」
◆◇◆◇
夢での邂逅が必ずしも最高と思えないのは、翌日の朝のせいだった。
男に抱かれる行為に、慣れもなにもあったものではないが、快感は日々のストレスを緩和してくれているのは否定しきれない。
ほづみは寝起きの厚ぼったい瞼をこすり、自室の天井を見上げてほっと息をついた。
淫らな夢は終わり、清々しい朝が来た。
薄いカーテンから差し込んでくる柔らかな朝日の眩しさは、とても神聖なものに思えてくる。
が、すぐにほづみは顔をしかめた。
不快感の残る下肢に、ぐったりと四肢をベッドの上に投げ出す。
最初のコメントを投稿しよう!