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 下着は思った通りに、精液でぐしょぐしょに濡れていた。ベッドシーツも、同じような惨状にちがいない。 「今日が、天気で良かったよ」  少しでも、ポジティブな要素を見いだしていないと気分が滅入って仕方ない。ほづみはしばし悩んだ末、下着もランドリーボックスに投げてシャワーを出した。  暖かいお湯に打たれる気持ちの良さに、苛立ちが緩和されてゆく。  昨日、帰りがてら駅で買ったレーズンパンと珈琲で朝食をとれば、気持ちもまるっと切り替わるだろう。  いちいち気にしていると、子供っぽいと馬鹿にされそうで嫌だった。  週末なら、いい。  毎日、毎夜。セックスを強要してくる遼に出した妥協案だったが、今更ながら、ほづみは後悔していた。  金輪際、夢でも触れるなと、強気に出てみれば良かったのかもしれない。 (まあ、素直に言うことを聞いてくれるような奴だとはおもえないが)  シトラスのボディーソープで、汗ばんだ体をすっきりさせる。スポンジを手荒く揉んで、泡立たせるうちに、気分もいくらか持ち直した。  汗の臭いも精の臭いも、すべて排水溝に押し流す。ぐだぐだ考えても仕方がないと、ほづみは自分に言い聞かせた。  毎週末の情事のおかげかどうかはわからないが、仕事は順調だ。     
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