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ピチャッピチャッ…
夢中になって お皿に乗った肉を
ガツガツ食べる愛犬シャロンの頭を撫でる。
『うふふ。イイコねぇ~まだおかわりあるわょ?』
頭を撫でられて シャロンは 嬉しそうに尻尾を振り 菜々子の手をぺろりと舐めた。
新鮮なお肉だからね…
菜々子の手には包丁が握られていた。
まだ その包丁からは 血が滴り落ちていた。
30分前。
バシッ!
激しく殴られて菜々子の口から血がツー…っと
顎に伝う。
日常茶飯事の夫の暴力。
激しく ワンワンッ!と夫の篤志にシャロンが
吠える。
『うるせぇッ!』
シャロンの腹を力任せに蹴りあげる篤志
ギャンッ!っと叫ぶとシャロンは
痛みにうずくまった。
それを見て菜々子はキッチンに走る。
流しの下の開き戸に差し込んである包丁を
するりと引き抜き篤志に向かってゆらりと歩き
そして 篤志の顔に切りつけた。
『うぎゃあーーーッ!な、何しやがるッ!
目、俺の目が………ッ…』
菜々子は にやりと微笑むと 包丁を頭上高く
持ち上げ そのまま篤志の首に深々と突き刺した。
ビシュッ…ドピュ…ドピュ…血飛沫があがり
菜々子の白いワンピースが赤く染まってゆく
篤志は 口を金魚の様にパクパクさせた後
白目を向いて 崩れ落ちた。
足元に広がる篤志の血…錆びたような鉄の匂いに
頭がくらくらする。
菜々子は 膝まづき 更に何度も包丁を振り下ろした
『アナタが悪いのょ…そう…全部…アナタが…』
舌舐めずりをするシャロン。
それを愛しそうに撫でる菜々子
その向こうには 切り刻まれもうモノ言わなくなった篤志がドクドクと血だまりを広げながら転がっていた…
夫婦の喧嘩は犬も喰わないと言いますが…
ご注意を。
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