Happy Wedding

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「おーい、荷物の準備できたかぁ?」 「うん!多分大丈夫のはず…戸締りよし。コンセントよし。新聞もストップした! あー!充電器っ!」 「くまちゃん!くまちゃんいれるふくろがないよぉ!」 それぞれが、ばたばたと荷物と部屋の最終チェックをして、出発オッケーとなった。 結婚式の後、二泊三日の新婚旅行と称して俺の馴染みの温泉旅館へ行くことになっている。 『あの』おっさん達の御用達で、かなり格式の高いところではあるが、事情を知った女将が諸手を挙げて歓迎してくれることになった。 これで周りを気にせずにのんびりと過ごせる。 助手席の智の右手をそっと握ると、その上に左手を重ね微笑んでくる。 その美しさにキスしそうになったが、青に変わった信号に焦れた後続車にクラクションを鳴らされて、舌打ちをして発進した。 「ようこそ!お待ちしていました。 どうぞこちらへ!!」 遙さんとスタッフ数名に出迎えられ、控室へと案内される。下見に来た時、凛が気に入った新婦用の部屋にしたのだ。 凛は えんまりさんと手を繋ぎ、うれしそうにスキップを始めたのだが、なんと彼女も一緒になって軽やかに跳ねていた。 タッカタッカタッカ 廊下に二人のリズミカルな靴音が響いている。 「俺たちもするか?スキップ。」 「なんでぇ?翔、それは凛に任せとこうぜ。」 なんだかおかしくなって、智と顔を見合わせて吹き出した。
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