Happy Wedding

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促されて祭壇へ上がり二人並んで立つと、館内のシャンデリアが一斉に煌めき、讃美歌が流れ始めた。聞いたことのあるメロディで、歌詞を見ながら難なく智と口ずさむ。 それが終わると、聖書の一部が朗読される。その間は静かに目を閉じ聞いていた。 「どうぞ目をお開け下さい。」 深いバリトンの牧師さんの声が響いた。 「私達は今、五十嵐翔さんと相沢智さんの結婚式を挙げようとしています。 惹かれ合う魂に性別の差はないと私は考えます。 なぜなら、諸説ありますが、人類最初の人間は両性を持っていたとも言われているからです。 訳あって同じ時に生まれ出会い愛し合い結ばれる。 これも神の御意志であると…」 そして俺の方を向いて 「五十嵐翔さん、あなたはこの方を健康な時も病める時も、富める時も貧しい時も、良い時も悪い時も、愛し合い敬いなぐさめ助けて、変わることなく愛することを誓いますか?」 「はい、誓います」 「相沢智さん、あなたはこの方を健康な時も病める時も、富める時も貧しい時も、良い時も悪い時も、愛し合い敬いなぐさめ助けて、変わることなく愛することを誓いますか?」 「はい、誓います」 「あなた方は自分自身をお互いに捧げますか?」 「「はい、捧げます」」 「では、指輪の交換を…」 その言葉で後ろに控えていた凛が、静々とリングピローを捧げ持って、牧師さんの横に立った。
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