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「えっ、えっ?」
いきなり抱きしめられた私は混乱した。
「だって俺とあやめの子供なんだぞ。しかも、全国大会初優勝の日にわかるなんて。人生最高なことがこんなに続くのか。」ニコニコしながら私を抱きしめる。
「えっ、でも…。いいのかな?」
「何が?」「何がって。まだ高校2年なんだよ、私達は。 」
「うーん、じゃあ家族に協力してもらおう。」
いつもの前向きな裕ちゃん。貴方とならどんな困難も乗りきれそうよ。
夕方には帰れるとのことで、裕ちゃんは着替えに一旦戻った。
病室には茜ちゃんと唯ちゃんが付き添ってくれる。
「とりあえずおめでとうでよいのかな?」
「ありがとう、茜ちゃん。」
「しかし、あんたら二人がねぇ。いつの間に大人になってた?白状しろ。」
茜ちゃんの尋問の前に口を割ってしまう。中学生の唯ちゃんは顔が真っ赤だ。兄や姉の話を聞かされるのだから仕方ないか。
「一回って…。あんたらどれだけ相性いいのよ。」茜ちゃんはあきれ返っていた。
「お姉ちゃん。どうするの?」
唯ちゃんが心配そうに聞いてくる。
「私は産むよ。」「でも…。」
「確かに相当な困難が待ってると思う。裕ちゃんの将来を奪っちゃうかもしれない。けどね。お腹にいるのは裕ちゃんと私の宝物なの。誰かなんと言おうと私は絶対守るんだから。」
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