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しかも兄に関しては、せっかくの私の趣味の時間を邪魔しかねないそんな感じ。
邪険にされた態度にカチンと腹が立ってしまう。
思ったことがストレートに顔に出る私は、眉間に皺を寄せたまま言葉を返した。
「甘い匂い嫌いだなんて変わってるのねー。変な人!」
「あっ、甘い匂い当たってる? てことはお菓子? すげー! お菓子作れるんだ!」
「げっ……。マジで」
そう言いながら口を手で押さえる仕草までする。
本当、最悪な人だ。この人。
いくらイケメンでも初対面でこの態度はあり得ないと思う!
「嫌な匂いがする家にまでわざわざご挨拶してくださり、どうもありがとうございました! お母さんにも言っておきますので! ではさようなら!」
もう話すこともなく、顔を見ないまま深く頭を下げて私は玄関の扉を閉める。
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