727人が本棚に入れています
本棚に追加
その日はまるで、テレビの天気予報に一番に取り沙汰されるんじゃないかってくらいの、それはきれいな青空が広がっていた朝だった。
春らしいポカポカと温かい気温が肌に心地よく、深呼吸をしたくなるくらいの気持ちのいい日。
そんな日は、我が家の窓を開けて外の空気を取り入れる。
城崎 杏。十五歳。
この春、家の近くにある私立の高校一年生になる私は、身長も体重も平均であり、頭も平均なら運動神経も平均値まっしぐらだ。
でも、中学時代からの親友でもある安崎真美が言うには、「磨けば光る顔をしているのにもったいない！ まさに残念女子！」ということらしい。
真美の観察力は日々、人混みの中からイケメンを見つけるという特技を持っているくらいだから、多分信頼できると思う。
最初のコメントを投稿しよう！