環状線のエロス
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「すみません。トイレにキャリーバッグ忘れたんですが、届いてませんか?」 故意に息を荒げ、ジャケットのポケットから出したハンカチで出ていない額の汗を拭きながらノルマは受付カウンターに声をかけた。 「あっ、さっきの方ですよね?」 ひとりカウンター奥の事務机に座り、書類に何か書き込んでいる高橋有紀が顔を上げた。 「あ、先ほどはどうも」 ノルマが大きく頷いた。
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