環状線のエロス

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「これ、あなたのバッグですよね?」  高橋有紀が立ち上がり、足元の青いキャリーバッグを手で示した。 「そうです。届いてましたか。良かったあ」  ノルマは安心したような溜め息をついた。 「今、おうちにお電話おかけしようと思っていたところでした。中のパスポート、見させていただきました」  ノルマが頷くと、高橋有紀はキャリーバッグを転がし、カウンター横まで運び、パスポートをノルマに渡した。
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