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車内を七両ほど移動し、渋谷駅に着いたころには、ラッシュの時間が迫り、車内が会社帰り、学校帰りの乗客で賑わいだした。
客の合間合間を縫い、五反田駅まで移動するあいだに二車両ほど移動したところで車両は乗客で完全に満たされ、移動できなくなった。
前から二車両目の一番前のドアの前で足元にキャリーバッグを置き、周りの乗客に四方からぎゅうぎゅう押されながら列車の揺れに身を任せている。
こんな時間にデカいバッグ持って乗りやがって! そんな目で右前のふくよかな二十代OLが睨みつけてきた。
この女、何考えてるんだ、迷惑なんだよ! そんな目で銀縁眼鏡の四十代サラリーマンが舌打ちした。
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