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俺はどんなに馬鹿みたいな顔で
どんなに嬉しそうな顔をしていただろう
そして飛びつくように
エミを抱きしめた
感情が先走ったと思い
抱きしめた腕をほどき
エミの両手を握り直して
心の声が口に出た
「すげぇ嬉しい」
エミが俺を何も言わずに見つめて
その瞳を見ていると
どんどん吸い込まれて行きそうになる
少しずつ
ゆっくりと
近づいていくたびに
おなじ速度で
エミも瞳を閉じていく
触れるだけの
浅くて長いキスを
水の音が優しく包んでくれた
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