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童顔のせいもあり、僕はたびたび新入生と勘違いされて声を掛けられたが、三年次である事を告げると皆、バツが悪そうに引き下がる。
同じ学科の同期がいる部や同好会なら、僕の事を知っているからそんな勘違いはない。しかし学科が違えば同じ大学でも接点が乏しいので、僕の事を見たままの年齢と思い込む人が多いのだ。
学外でも、行きつけではない店で酒類を購入しようとすると、僕は身分証の提示を求められる事がしばしばある。
新人を求める声があちこちから響き渡る中、「ウサギがいなくなってもいいんですか?」という、やや場違いなのぼりを立てた集団が目に付いた。ウサギとなれば当然、興味がひかれる。
声を掛けてみると、環境保護を目的としたボランティア同好会らしい。活動の詳細を聞いてみると、ネットコンテンツによる啓発活動がメインで、体を使った昔ながらのボランティア活動はほとんどないという。 どうも、ネットコンテンツの制作を目的とした同好会が、環境保護をテーマとして取り上げているというのが実態の様だ。
「それで”ウサギがいなくなる”って、天然記念物のアマミノクロウサギとかの事?」
「ウサギじゃなくて、ウナギ。日本人がバンバン食いまくるから、絶滅しかかってるんだよねー。他に旨いもん、幾らでもあるのにさあ」
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