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2.
歌穂は物心ついたころから、ラジオが大好きだった。
母親がラジオ好きで、小さな歌穂と家で遊ぶとき、バックミュージックのようにラジオを流していた。軽快なおしゃべりや優しい音楽、リスナーからのおたよりに共感して母親とよくラジオの話題をした。お気に入りの番組もあり、二人で一緒にネタを考えて番組に送ったこともある。
中学生ぐらいからは母親とはまた別に、自分で気に入った番組を探し始めた。中学から高校は深夜ラジオに熱中した。何度もメールをしては玉砕し、たまに採用されると飛び上がって喜んだ。
そんな歌穂は友達の間では少々変わり者扱いだった。気にしなかったけれど。
もちろん「FMわかば」の中にも、ごひいきの番組はあった。だからアルバイト中は幸せな気持ちでいっぱいな歌穂なのだ──。
「──というわけでっ、毎日寒いですけどね。風邪などひかないように今週も元気にいきましょう!!」
歌穂はスタジオに足を踏み入れると、ますます困惑した。
──何なのこの……生放送っぽい雰囲気。
「急に収録でも入ったのかな」
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