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第3章 #2
『……美人になりたいの?』
その時、誰かの声が聞こえた気がした。
声は空から降ってきたかのように思えた。
聞こえた方に目をやるも、そこには誰もいない。
『なぁ……灯里』
聞こえてくる声は誰の声だったのか。
覚えてはいないけれど、懐かしくて、心地よく響いていた。
突然話かけられたけれど、不思議と怖さはなかった。
この声をもっと聴きたいと思った私は、水に手をつけたまま、目を伏せた。
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