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「おはよ」
「灯里、おはよう」
「あれ? お母さん、いたん?」
「もっと早かったら、いられへんかったけど、灯里の朝は遅いからなぁ」
「あはは」
笑ってごまかしてから、時計を見ると、もう11時だった。
朝、というより昼に近い。
一人暮らしの部屋では、休みの日でも平日と同じ時間に起きるというのに。
「疲れがたまってたんかなぁ」
そう言いながら、母は台所で汁物を温め直してくれていた。
「お父さんは仕事?」
「そうやで。最近、忙しいみたい」
「仕事、大変なん?」
「仕事も大変な時期やけど、それだけじゃなく、大学の寮が火事になったらしい」
「ええ!」
「その件でもいろいろあるらしくて、お父さん、今すごく大変そうやわ」
「そっかぁ」
「せっかく灯里が帰ってきてるのに、ごめんな」
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