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「なぁ、お母さん」
「うん?」
「私、今日も暇やねんけど……何か手伝えることある?」
頬がポッと火照ったような気がした。
「へ?」
「床拭きでも、茶碗運びでも、庭掃除でも、なんでもするけど」
目は合わせられなかった。
「ほな、旅館の掃除のお手伝いしてもらおうかな」
「わかった」
母の言葉が嬉しくて、私はご飯を急いで食べだした。
「もうこの子は、行儀の悪い! 一品一品味わって食べなさい!」
「ほい」
「口に物を入れながら、話さへんの!」
「ほおーい」
「灯里!」
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