第3章ー2

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「月が青く見えるのかな?」 「どうなんでしょうね?」 独り言のように呟いた声に、酒井さんが微笑み返してくれる。 「でも、京都の町でしか見れないわけじゃないでしょう? 月はどこでも見れるんだから」 そう言った私に、酒井さんは驚く返事をくれた。 「数年前のブルームーンの夜に、嵐山の方で奇跡が起こったっていう噂があるそうで」 「え……?」 「その噂を聞いた皆さんが、ブルームーンの夜に京都の町にやってくるみたいなんです」
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