第3章ー2

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けれど、頭上に広がる夜の色が昨日よりもうっすらと青く感じて、私は夜空を見上げた。 キラキラと光り輝く星たちが、夜空にひっかかっている。 夜空の真ん中に、大きくて丸い満月がある。 満月の色は、うっすらと青かった。 なんだか、綺麗……。 青い月から降る光までもが青く映っていた。私はこんな夜を見たことがない。 不思議な空間にいる気分だった。 大きな満月の方へ導かれるように、石畳が続く細い道を歩いて行った。 老舗料亭やお茶屋が軒を連ねる細い路地を少し歩くと、巽橋についた。
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