第3章ー2

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ドキドキと胸が鳴る。呼吸がしにくくなってくる。 青い光は、私の前に道を作るように降り注いでいた。 私は、青い光の行方が見たくなり、光の道を辿るように歩いた。 青い光に従い歩いて行くと、巽橋を渡り終え、辰巳大明神を通り、白川橋へと辿り着いた。 この橋には、大きな枝垂れ柳がある。ここへ来ると、柳の緑が空から降ってくるようだといつも思う。 今日の枝垂れ柳は、青く光っている。 私はその柳の木の下で立ち止まり、新橋の先を見る。 この橋を渡り終え、真っ直ぐ歩くと花見小路がある。青い光は、枝垂れ柳の奥にある橋の向こう側、花見小路へと続く小道を映し出していた。
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