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相変わらず、京都の夜は終わるのが早いな……。
神社の神様が『早く帰りなさい』と言っているような気がしたけれど、私はなぜだかまだこの場所から離れたくなくて、オレンジ色のライトが灯る石段を見つけると、そこへ向かった。
石段に腰を降ろすと、鞄の中に忍ばせておいたあるものを取り出した。
それは、若草色をした日記帳だ。
私はパラパラとページをめくる。
そして、17歳の夏のページで手を止めた。
当時の日記を読み返してみる。
6月30日
明日から祇園祭が始まる。
「宵山には、彼氏と一緒に行きたい!」と菜花に言うと、
「半月で彼氏ができるわけないやろ」と、突っ込まれた。
これは、7年前の今日だ。
私はまだ初恋も知らない、恋に恋する女の子だった。
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